チュートリアルで試せる内容 †
1)作成する可視化ツールの仕様を決めます †
- [ツール名] DotDistribution(ドット分布)
- [入力] double型配列
- [処理] double型配列で与えられる値を縦軸の座標として、値の分布をドット(小さい円)で表示する
- [出力] 作成したドット分布を表示
2)SampleDisplay2.java を利用して,ツール作成の準備をします †
- tetdmのフォルダ内の,moduleフォルダ内のVisualizationModuleフォルダ内にある,SampleDisplay2フォルダを,フォルダごとコピーします
- コピーしてできたフォルダの名前を,作成するツール名「DotDistribution」に変更します
- コピーして作成したフォルダ内のファイル名を変更します
- SampleDisplay2.java -> DotDistribution.java
- SampleDisplay2.txt -> DotDistribution.txt (テキストファイルの中身も「ドット分布」に変更します)
- 必要に応じて,ツール完成後にREADME.txtを修正します
3)DotDistribution.java を編集し,プログラム作成の準備をします †
- プログラム中の SampleDisplay2 と書かれている箇所をすべて DotDistribution に変更します(コメント内を含め4カ所)
- // DotDistribution.java Version 0.30
- package module.VisualizationModules.DotDistribution;
- public class DotDistribution extends VisualizationModule
- public DotDistribution()
コンストラクタの記述の修正 †
- ツールのIDを決め,コンストラクタ内のメソッド setModuleID の引数として与えます(今回は9911とします)
- int型の配列,dataNumbersの値を初期化して,受け取るデータ型とその数を指定します.
- 今回は,double 型の配列を1つ受け取ります.
- setToolType(2); ツールタイプはプリミティブになります.
public DotDistribution()
{
setModuleID(9911); // Set your module ID after you have got it
dataNumbers = new int[]{0,0,0,0, // b,i,d,S
0,0,1,0, // bA,iA,dA,SA
0,0,0}; // bA2,iA2,dA2
setToolType(2);
}
4)一度コンパイルして,DotDistributionツールの動作を確認します †
- make または ant コマンドでコンパイルします
- コンパイル後TETDMプログラムを起動して,いずれかのテキストを読み込みます
- 楕円とテキストの一文目が表示されるのを確認して下さい(SampleDisplay2.java の処理)
- もとのSampleDisplay2.javaがシンプルツールなので、任意の処理ツールとの組み合わせで表示されます
5)ドット分布を表示するプログラムを作成します †
ファイルからの日本語の読み込み(今回は不要) †
- もとからある下記変数とメソッドの内容は,インタフェース内に日本語を表示させたい場合は利用して下さい
- String outputText;
- initializePanel()
- initializeData()
- String inJapanese[]; (変数の定義はVisualizationModuleクラス内)
- フォルダ内に,Japanese.txtファイルを用意している場合,自動的に各行の内容が,initializePanel()の実行前に,inJapaneseに読み込まれます.
処理ツールからデータを受け取り,ドット分布の表示に必要なデータを保存する変数を,グローバル領域で宣言します †
double values[];
initializeData() 内で変数の初期化を行います(オーバーライド) †
- ドット分布の表示に必要なデータがない場合にエラーを出さないようにします
public void initializeData()
{
values = new double[1];
}
処理ツールからデータを受け取るメソッド,setDataを作成します(オーバーライド) †
- switch,case文を用いて作成します
- case文は0から作成します
- データの受け取りに成功したらtrue,失敗したらfalseを返すboolean型としてメソッドを作成します
- データを受け取った際に再描画するように、repaint(); メソッドを呼び出します
public boolean setData(int dataID, double data[])
{
switch(dataID)
{
case 0:
values = data;
repaint();
return true;
}
return false;
}
ドット分布の表示プログラムを作成します †
- 画面のサイズに対して,上下左右に各20pixelの余白を設け,残りの領域にデータを最大限に大きく表示します
- displayOperations メソッドの case 0: が自動的に実行されますので,そこから呼び出されるところに記述します
- case 0:にrepaint(); を記述している場合は,paintComponent(Graphics g)から呼び出されるところに記述します
- スーパークラス内の変数,sizeX, sizeYには,表示できるパネルの縦と横のサイズが,メソッドgetPanelSize()が呼び出されるたびに格納されますので,この値を利用してパネルサイズの変更に対応できるようにします
double max,min;
int width,height;
//background
public void drawBackground(Graphics2D g2)
{
g2.setColor(Color.black);
g2.fillRect(0,0, sizeX, sizeY);
}
public void drawDistribution(Graphics2D g2)
{
width = sizeX - 40;
height = sizeY - 40;
max = min = values[0];
for(int i=1;i<values.length;i++)
{
if(values[i] > max)
max = values[i];
if(values[i] < min)
min = values[i];
}
if(max == min)
return;
g2.setColor(Color.yellow);
for(int i=0;i<values.length;i++)
g2.fillOval(20 + width * i/(values.length-1),
(int)(20 + height * (max - values[i])/(max - min)), 10,10);
}
//////////paint
public void paintComponent(Graphics g)
{
Graphics2D g2 = (Graphics2D)g;
getPanelSize();
drawBackground(g2); //background
drawDistribution(g2);
}
public void update(Graphics g) //avoid from blinking
{
paintComponent(g);
}
6)コンパイルして動作を確認します †
- 処理ツール「データ送信テスト」と組み合わせた場合,パネル下部のボタンを押すと,押したボタンに対応するデータによるドット分布が表示されます.
- データが1つの場合は表示されません
- 送られてくるデータが double 型でない場合でも、データ型コンバートによりdouble型に変換されて表示されます
- 統合環境のウインドウのサイズを変えても,パネル内の表示がサイズに応じて変更されることを確認します