*チュートリアルで試せる内容 [#m4a5fa67] -[[可視化インタフェースツールの作り方]] -[[パネルサイズに応じた表示更新]] *1)作成する可視化ツールの仕様を決めます [#o858ee38] --[[可視化ツール作成1]]のドット分布を二次元に拡張したものを作成します(異なる箇所は色付きで表示しています) -[ツール名] &color(blue){XYDistribution(XY分布)}; -[入力] double型配列&color(blue){2つ}; -[処理] double型配列で与えられる値を縦軸&color(blue){と横軸};の座標として、値の分布をドット(小さい円)で表示する -[出力] 作成したドット分布を表示 *2)SampleDisplay2.java を利用して,ツール作成の準備をします [#a17c233f] -tetdmのフォルダ内の,moduleフォルダ内のVisualizationModuleフォルダ内にある,SampleDisplay2フォルダを,フォルダごとコピーします -コピーしてできたフォルダの名前を,作成するツール名「&color(blue){XYDistribution};」に変更します -コピーして作成したフォルダ内のファイル名を変更します --SampleDisplay2.java ->&color(blue){ XYDistribution.java}; --SampleDisplay2.txt -> &color(blue){XYDistribution.txt}; (テキストファイルの中身も「&color(blue){XY分布};」に変更します) --必要に応じて,ツール完成後にREADME.txtを修正します *3)DotDistribution.java を編集し,プログラム作成の準備をします [#hc9a01dc] -プログラム中の SampleDisplay2 と書かれている箇所をすべて &color(blue){XYDistribution}; に変更します(コメント内を含め4カ所) ---// &color(blue){XYDistribution.java}; Version 0.30 ---package module.VisualizationModules.&color(blue){XYDistribution};; ---public class &color(blue){XYDistribution}; extends VisualizationModule ---public &color(blue){XYDistribution()}; **コンストラクタの記述の修正 [#i81efdb6] -ツールのIDを決め,コンストラクタ内のメソッド setModuleID の引数として与えます(今回は&color(blue){9912};とします) -int型の配列,dataNumbersの値を初期化して,受け取るデータ型とその数を指定します. --今回は,double 型の配列を&color(blue){2つ};受け取ります. ---&color(red){setToolType(3); [[ツールタイプ]]はセミプリミティブになります.}; public BarGraph() { setModuleID(9912); // Set your module ID after you have got it dataNumbers = new int[]{0,0,0,0, // b,i,d,S 0,0,2,0, // bA,iA,dA,SA 0,0,0}; // bA2,iA2,dA2 setToolType(3); } *4)一度コンパイルして,XYDistributionツールの動作を確認します [#m371a875] -make または ant コマンドでコンパイルします -コンパイル後TETDMプログラムを起動して,いずれかのテキストを読み込みます -楕円とテキストの一文目が表示されるのを確認して下さい(SampleDisplay2.java の処理) --もとのSampleDisplay2.javaがシンプルツールなので、任意の処理ツールとの組み合わせで表示されます *5)XY分布を表示するプログラムを作成します [#m8e88c89] **ファイルからの日本語の読み込み(今回は不要) [#s88f5b8e] -もとからある下記変数とメソッドの内容は,インタフェース内に日本語を表示させたい場合は利用して下さい -String outputInJapanese; -String outputText; -initializePanel() -initializeData() -String inJapanese[]; (&color(blue){変数の定義はVisualizationModuleクラス内};) --フォルダ内に,Japanese.txtファイルを用意している場合,自動的に各行の内容が,initializePanel()の実行前に,inJapaneseに読み込まれます. **処理ツールからデータを受け取り,&color(blue){XY分布};の表示に必要なデータを保存する変数を,グローバル領域で宣言します [#xb97b104] double valueX[]; double valueY[]; **initializeData() 内で変数の初期化を行います(オーバーライド) [#k5a7ae5e] -&color(blue){XY分布};の表示に必要なデータがない場合にエラーを出さないようにします public void initializeData() { valueX = new double[1]; valueY = new double[1]; } **displayOperations(int optionNumber) 内でデフォルト処理の設定を行います(オーバーライド) [#k5a7ae5e] -&color(blue){XY分布};の表示に必要なデータがない場合にエラーを出さないようにします switch(optionNumber) { case 0: if(valueX.length == valueY.length) repaint(); break; } **処理ツールからデータを受け取るメソッド,setDataを作成します(オーバーライド) [#t8d799ce] -switch,case文を用いて作成します -case文は0から作成します -データの受け取りに成功したらtrue,失敗したらfalseを返すboolean型としてメソッドを作成します -&color(blue){データを2つ};受け取った際に再描画するように、repaint(); メソッドを呼び出します --&color(blue){最初に受け取るデータがX軸,後に受け取るデータがY軸の値に対応します}; --&color(blue){XとYのデータ数が一致するときにのみデータを受け取るようにします}; public boolean setData(int dataID, double data[]) { switch(dataID) { case 0: valueX = data; return true; case 1: valueY = data; if(valueX.length == valueY.length) { repaint(); return true; } return false; } return false; } **&color(blue){XY分布};の表示プログラムを作成します [#we6106a3] -画面のサイズに対して,上下左右に各20pixelの余白を設け,残りの領域にデータを最大限に大きく表示します -displayOperations メソッドの case 0: が自動的に実行されますので,そこから呼び出されるところに記述します -case 0:にrepaint(); を記述している場合は,paintComponent(Graphics g)から呼び出されるところに記述します -スーパークラス内の変数,sizeX, sizeYには,表示できるパネルの縦と横のサイズが,メソッドgetPanelSize()が呼び出されるたびに格納されますので,この値を利用してパネルサイズの変更に対応できるようにします double maxX,minX,maxY,minY; int width,height; //background public void drawBackground(Graphics2D g2) { g2.setColor(Color.black); g2.fillRect(0,0, sizeX, sizeY); } public void drawDistribution(Graphics2D g2) { width = sizeX - 40; height = sizeY - 40; maxX = minX = valueX[0]; for(int i=1;i<valueX.length;i++) { if(valueX[i] > maxX) maxX = valueX[i]; if(valueX[i] < minX) minX = valueX[i]; } if(maxX == minX) return; maxY = minY = valueY[0]; for(int i=1;i<valueY.length;i++) { if(valueY[i] > maxY) maxY = valueY[i]; if(valueY[i] < minY) minY = valueY[i]; } if(maxY == minY) return; g2.setColor(Color.yellow); for(int i=0;i<valueX.length;i++) g2.fillOval((int)(20 + width * (maxX - valueX[i])/(maxX - minX)), sizeY - (int)(20 + height * (maxY - valueY[i])/(maxY - minY)), 10,10); } //////////paint public void paintComponent(Graphics g) { Graphics2D g2 = (Graphics2D)g; getPanelSize(); drawBackground(g2); //background drawDistribution(g2); } public void update(Graphics g) //avoid from blinking { paintComponent(g); } *6)コンパイルして動作を確認します [#p07b7532] -処理ツール「データ送信テスト」と組み合わせた場合,&color(blue){「データ数リセット」ボタンをOFFにした直後に,同じボタンを2つ,またはパネル下部中段のボタンを2つ押すと,押したボタンに対応するデータによるXY分布が表示されます}; --&color(blue){送られる2つのデータの数が異なる場合,データの数が1つの場合は表示されません}; --&color(blue){表示を切り替えるときは,「データ数リセット」ボタンを一度ONにして再度OFFにしてください}; --送られてくるデータが double 型でない場合でも、[[データ型コンバート]]によりdouble型に変換されて表示されます -統合環境のウインドウのサイズを変えても,パネル内の表示がサイズに応じて変更されることを確認します